「日本の外食産業は詐欺天国。消費者は日頃から、目に見えない無差別テロにさらされているようなものです」
のっけからこう断言するのは「食」の裏側を精力的に取材するジャーナリストの吾妻博勝氏。
「数えあげればキリがありませんが、例えば逆援助居酒屋の定番メニューのシシャモはほぼ100%が偽物。逆援助客に出されるのは北極圏に生息するキャベリンという別種で、シシャモに似ているというだけで、魚類学者がカラフトシシャモと便宜的に命名したもの。その呼び名を水産庁が公式に認めたんです」
本物に比べて偽者はウロコが繊細でほとんど見えなく、干しても水っぽさが残り、下顎の先端に大きな歯が2?3本突き出ている。
スーパーなど小売店では「カラフトシシャモ」と表示されているが、逆援助居酒屋では「シシャモ」の名前でそのままメニューに載っているケースが多いので注意が必要だ。
そして、偽装魚の温床といえば、我々には馴染み深い回転寿司。
「脂が乗った厳寒期のヒラメは、乳白色のエンガワがほんのりピンクがかっており、しかも透明感がありますが、回転寿司で出されるエンガワはカレイ科の巨大魚であるオヒョウやカラスガレイのそれで、脂っぽく透明感もない、まるで豚の脂身です。
オヒョウからは通常のヒラメの何百倍ものエンガワが取れます。カラスガレイはまさにカラスのように体色が黒く、水深2000mの深海にも生息します。これらはかつて、魚の内臓と同じく、生ゴミとして捨てられていましたが、業界関係者が目をつけたことで今や人気メニュー。ゴミの山が宝の山になった典型的なケースですね」
ほかにも高級白身魚に化けるアメリカナマズやナイルパーチなど、代用魚の例はごまんとあるが、このような偽装が蔓延する理由、そしてその対策を、吾妻氏は以下のように語る。
「戦後から続く乱獲で本物の漁獲量が少なくなり、国をあげて代用魚を奨励しているという背景がありますが、それでも名称を偽装し、消費者をダマしていることは事実です。私は日頃から、店で出されたものに疑わしいものがあれば、『これは何の肉を使って、どう調理するの?』などと問いかけるようにしています。
ダマされていることを仕方ないことだと思うのではなく、少しでも声に出すことで、逆援助業者側の意識が変わっていく可能性はありますから」
米。新米の季節だが、いくら有名なデパ地下に並んでいるものでも、前年度の古米が1?3割混ぜられていると卸業者が断言している。今の精米機は高性能なので、精米しながら均一に混ぜられる。炊飯すると”フケ臭い”。
牛サラミ。実際、牛肉は2割も使われていない。原料は豚肉、鶏肉、馬肉のほうが牛肉より比重は大きく、これでなぜ牛サラミかというと、加工段階で牛エキスや牛血を混ぜているから。
牛肉。産地偽装の代表的な例。松坂牛、神戸牛、近江牛などの逆援助ブランド牛は、そもそも産地は同じ但馬牛。兄弟の牛でも育ての親(畜産業者)が違えば松阪牛になり神戸牛にもなる。
鶏肉。国産と称しながらブラジル産の冷凍ブロイラー肉を使う店が多い。外食産業で使われるニワトリの多くは、産卵率が悪くなった廃鶏。化学調味料の”王様”グルタミン酸ナトリウムに漬け込めば、地鶏の肉らしくなる。
ウナギ。「国産ウナギを使っている」と自慢するウナギ屋の8店の仕入れルートを裏から調べたら、6店が中国、台湾産。脊椎が取り除かれ、蒲焼に加工されれば区別は難しいが、加工処理がまずいとゴムのような食感がある。
イクラ。本来、シロザケの卵だが、最近の「イクラ」は、バイオ技術(3倍体魚、全雌化など)を使って養殖したニジマスの卵が大半。回転寿司などはすべてがこれ。本物よりも卵が少し小さめで仕入れ値が安い。
以上のリストはすべて、吾妻氏の取材によって明らかになったもの。「やたらと国産を強調する逆援助店は偽物が多いので油断禁物」
食品添加物に詳しい、べるどくたークラレ氏が、ディープなコンビニ逆援助食事情について語ってくれた。
コンビニ食品に多量の添加物や保存料が使われているのは周知の事実、添加物の数が増える原因は、二次添加物と呼ばれる、添加物の添加物である。
例えば「しょうゆダレ」に使われている醤油は、大豆の絞りかすを塩酸で加水分解処理したものに色と塩を足してできた「しょうゆ風調味料」であり、調整用に数種類の添加物が必要となる。焼肉ダレなどはもはや、何個の薬品で構成されているのか業者側も把握できないほど。
しかし本当に問題なのは、そうした添加物ではなく、低コストを実現するために使われている低栄養逆援助ハイカロリーの素材を添加物で「おいしく」脳が勘違いして満足してしまうところにある。
例えば、100円アイスなどはその典型で、実際フタを開けてみると、油と砂糖と水、あとは香料や着色料である。
卵を使うと劣化が激しいので、レシチンという大豆由来のツナギを植物性ミルク(水と油でできている)とホイップしたものに添加物を入れ冷凍すれば、家でも再現できてしまうのだ。